2024-10-25

Press Release

採用難易度の高いデータサイエンティストをインドのTopTier大学から採用。国境を越えて伝わった自社の魅力

【AGC北山様・鈴木様】

AGCのデジタル・イノベーション推進部とは

――AGCグループについてご紹介ください。

 

鈴木:弊社はガラスを始めとした多くの製品でトップクラスのシェアを持つ素材会社です。創業は1907年と、100年以上の歴史があります。建築用ガラス、自動車用ガラス、ディスプレイ用ガラスといったガラス製品の他、電子部材や化学品、ライフサイエンス、セラミックなどの製品を、30を超える国と地域でグローバル展開しています。

 

AGC自体のインドでの知名度はそこまで高くはないですが、旭インディア硝子をご存知の方は多いのではないかと思います。この会社は、AGCグループ会社の1つで、特に自動車用ガラスの国内シェアはトップです。


図1:世界中の多くの製品でトップシェアを誇るAGC

 

――AGCグループにおけるデータサイエンスの取り組みについて教えてください。

 

鈴木:データサイエンスは、DXを実現する上で必要な技術の1つです。弊社では、時代の変化に合わせて必要な素材やソリューションを提供し続けてまいりました。既存事業を強固かつ安定した収益基盤にしていくと同時に、成長分野において将来の柱になり得る高収益事業も育てており、DXは変革を加速するものと位置付けています。

弊社では、DXを実現するために独自のデータサイエンティスト育成プログラムを設けており、これまでグローバルでのべ4000名以上の社員がデータサイエンスの知識を学んでいます。その成果として、事業戦略を踏まえたDXを企画立案する人材も各部門で数多く生まれています。

 

――デジタル・イノベーション推進部について、ミッションや活動内容を教えてください。

 

鈴木:2023年1月に新設された、デジタルとイノベーションとを担うスペシャリストがいる部署です。日本人のほか、中国、インドネシア、タイ、インドの方もいます。

ミッションは、AIの開発、データサイエンティストの育成、DXによるAGCグループの変革を加速すること。北山が、データサイエンティスト育成プログラム創設を担ってきた中心人物です。

 

北山:AGCのDXのターゲットはかなり広く、ビジネス全体のデジタルトランスフォーメーションを目指しています。よって、我々データサイエンスチームの活躍の場は非常に多いです。工場内の自動化、効率化だけではなく、バックオフィス業務の効率化、新規ビジネスが立ち上がる際のマーケティング部分でのデジタルマーケティングの活用、製品をお客様に届けるデリバリー部分での輸送プロセスのIoT化、物流計画最適化など多岐にわたります。


図2:AGC デジタル・イノベーション推進部のデータサイエンティストの役割

 

具体例として、輸送パレットのIoT化について簡単にご紹介します。パレットは、ガラス製品をお客様に届ける際に持ち運ぶための箱です。このパレットが、お客様に届けたあとに行方不明になってしまいなかなか返却されないという課題がありました。この課題に対し、パレットにセンサーを取り付けることで場所を検知できるようにし、データを可視化・分析・共有することで返却率を高めました。弊社にとってのメリットだけでなく、お客様側が返却できないことによる違約金コストを支払わずに済むようになるという双方に利のある取り組みです。

 

この事例のように、現場が抱えている課題やニーズを拾い上げるため、AGCではデータサイエンティスト、デジタル人材を各ビジネス、各工場に分散配置しています。分散配置するための人材育成、組織作りもデジタル・イノベーション推進部のミッションです。配置された人材が現場のニーズをまとめ、そのなかでもトップレベルのデータサイエンティストでなければ対応できない問題、精度を上げられずに苦労している問題を、デジタル・イノベーション推進部のプロフェッショナルが対応するという流れになっています。

 

――デジタル・イノベーション推進部が今求めている人材について教えてください。

 

鈴木:2025年までにデータサイエンティストを100人まで増やすことを目標とし、育成により力を入れていこうとしています。特に力を入れていきたい領域は東南アジアでの育成です。そのためには英語を話せてグローバルに働けるデータサイエンティストが必要となる為、インドのデータサイエンティストを強く求めているのです。人に教えることは、自分のスキル向上にもつながりますし、成果を出せる人を増やすことで会社にも貢献できます。自国以外の人とのコミュニケーションは、人としての成長にもつながる為、自身のスキルアップ、新たな貢献の可能性をチャンスだと捉えていただけるとうれしいです。

 

インドTopクラスの学生を受け入れてみて

――今回、AGCは初めてインド人インターン生を受け入れました。その背景について教えてください。

鈴木:弊社はグローバル人材の採用に力を入れたいと思っており、採用方法を模索するなかで、インターンシップに辿り着きました。優秀なエンジニアが多く、かつグループ企業が拠点を構えるインドは検討当初から有力な候補でした。検討の最中、グループの拠点を介しインド工科大学の訪問が実現、その後、いろいろなアドバイスをいただくことになる片岡先生と出会えました。Tech Japan Hubも片岡先生からご紹介いただきました。


写真3:IIT ハイデラバード片岡教授 訪問時の様子

 

――学生のスキル感、コミュニケーション部分にギャップはありましたか?

 

北山:事前に片岡先生からインド学生の特徴についてお話を聞いていたこともあり、一定の心づもりができていました。ミッションを伝える際には、なるべく社内の事情や目的を伝えることで、学生のモチベーションにつなげられたと思っています。

先生からは「ミッションを与えれば自分で勉強して課題解決ができる、ポテンシャルが高い学生たち」だと聞いていましたが、期待以上でしたね。日本人とインド人とでコミュニケーションをしっかり取れるだろうかと思っていましたが、そもそも手取り足取り教える必要はなく、背景と目的を伝えられれば、自走してくれる方たちでした。

何をしても日本人学生よりも早いのではと思うくらいでしたが、実際の問題を解くところでは止まる様子が見られ、実戦経験はまだそこまで多くはないのだろうなと感じられました。そこからは我々の出番だと捉え、サポートしました。

 

――円滑に進めるために工夫したことはありますか?

 

北山:やり方を制限しすぎないようにしました。データサイエンスはかなり広い領域で、問題解決に至る技術、アプローチ方法は1つではありません。学生が好きなアプローチがわからないので、まずは自由にやってもらい、次のミーティングで方向性を掴むようにしていました。これも片岡先生からのアドバイスがあってのことで、意外なアプローチをする学生もいました。

 

――インターン生の募集には3桁の学生から応募がありました。どのようにインターン生を選んだのでしょうか。

北山:技術の広さよりも深さを見ました。デジタル技術をどれだけ経験してきたかを羅列しているのではなく、「このプロジェクトを1年かけてやりました」「こういうAIの研究開発を行い、論文を書きました」と何か1つ極めたものがあることがわかる学生に惹かれました。AGC入社後もあるミッションに1年以上かけて取り組むことが多いため、学生時代にそうした経験がある方が好ましいです。深堀した経験があれば、別の新しい領域にも適用できるでしょうから。

鈴木:同意見です。自身の経験を具体的に書いていただけると、どのようなことをしてきたのかがわかりやすくてうれしいですね。

 

――インド学生へのメッセージをお願いいたします。

 

鈴木:さまざまな個性、性格の方がいることを前提として、IITの学生は新しい知識やスキルを身に付けること、未知なものに挑戦するマインドが高い方が多い傾向があると感じています。現時点で必要な知識がなくとも、必要だとわかれば大量の論文を読み込んで取り組む様子に驚かされました。ぜひ、こうした熱心な方と働けたらうれしいです。

北山:デジタル・イノベーション推進部で働く魅力は2つあります。成果を出せること、そして成長できることです。まずは1つ目の成果について。コンサルティング企業やAI専門会社では、ユーザー企業との契約ベースで仕事が決まるため、契約を超えることはできません。そこが事業会社であるAGCに入るメリットだと思います。データサイエンティストとして課題を見つけ、現場に行ってデータを取ることもできます。現場からは同じ会社の一員として受け入れてもらえるため、仕事がしやすいでしょう。何年もかけてデジタル・イノベーション推進部と各現場との関係性を築いてきたため、データサイエンティストとして成果を出しやすい会社だと思います。

 

2つ目の成長に関しては、デジタル・イノベーション推進部が2023年に立ち上がったばかりの組織であることがその理由です。組織を成長させていくプロセスに携われるため、大企業でありながらスタートアップのような楽しみを味わえるでしょう。

 

AGCの特徴の1つは、必ずしも日本への移住や日本語の使用を求めないことです。英語で働けるので、すぐにスキルを活かしたい、短期間で成果を出したい人に向いている環境だと思います。移住の必要性はありませんが、移住希望の方には選択肢を提示できる機会もあります。ものづくりに関心のある方と働けることが楽しみです。

写真4:AGC鈴木様、AAPI北山様によるインタビュー風景

 

【インターン参加学生 Soniさん、Pranayさん】
AGCのインターンシップを受けてみて

Soniさん

 

――AGCのインターンシップについて教えてください。

 

Soni:画像処理とコンピュータ・ビジョンのタスクに重点を置いていました。私がこのインターンシップに応募したのは、自分の専門分野に関係していたためです。画像処理とコンピューコンピュータ・ビジョン取り組むインターンシップだと知り、飛びつきました。

インターンシップでは、メンターにたくさん助けられました。週に1回は会議をし、問題があり作業が進まない時に解決するためのアドバイスや提案をしてもらいました。非常に多くのことを学べたインターンシップだったと思います。

 

――具体的に、どのような課題に取り組んだのでしょうか。

 

Soni: 私の役割は、データアナリティクスエンジニアでした。割り当てられたタスクは物体認識です。通常の物体検出だけではなく、非常に特殊な方法で特定の種類の物体を検出することでした。難しいタスクであり、多くの困難がありました。最初の壁はデータがアノテーションされていなかったことです。機械学習において、データアノテーションやデータラベリングが難しい問題となることが多いです。メンターの提案を参考にしたことで、課題を完了させることができました。

また、別の問題では、試した方法で満足できる結果を得られませんでした。メンターは、その結果を分析したあと、どこで間違いを犯しているのかを教えてくれました。

このインターンシップのおかげで、データアノテーション方法や、ラベリング方法を学べましたし、いろいろなツールも知ることができました。また、私が不得意であったモデル分析やモデル強化についても学ぶことができました。メンターは先生のようであり、友達のような存在でした。

 

――AGCの魅力はどういったところだと思いますか?

 

Soni:AGCの人たちはフレンドリーで、サポートしてくれ、成長を促してくれました。私のインターンシップは、学期期間中ということもあり1日3時間という限られた時間でしたが、私の都合のよい時間に作業させてくれ、柔軟な社風が感じられました。それはプラスポイントだと思います。

――(インド企業、日本企業の両方で働いたことがありますが)、インドと日本の働き方の違いはありますか?

Soni:私が働いたインド企業で申し上げると、プロジェクトやタスクを与えられたら、良い意味、悪い意味でも一任、丸投げされることが多かったです。与えられたタスクに対して、問題点、不明点も自分自身で解決しながら、責任を持って取り組む必要がありました。

AGCという日本企業でも与えられたプロジェクトやタスクに対して責任を持って取り組むことは変わらないですが、伴走してくださることが違いだと感じました。

タスクを進める中で、不明点が行き詰まる箇所があった場合は、メンターが真摯に向き合い、ご自身の代替案とともに、アドバイスをくださった。無事タスクを完遂することができたのも、AGCの方々の伴走支援のおかげかと思っています。

 

――インターシップのために何を準備すべきか、後輩たちにアドバイスをお願いします。

 

Soni:AGCでインターンシップをしたいなら、大学で勉強した科目、プロジェクトで得た知識等など、細かく履歴書に記載した方が良いです。インターンシップで同様のスキルを期待されるからです。また、AGCの求人票に課題が掲載されていたら、それをどう解決するのか、きちんと回答できるように準備しておきましょう。

Pranayさん

――AGCのインターンシップについて教えてください。

 

Pranay:プロジェクト内容は、工場に入る従業員がヘルメット、ゴーグル、マニファ、手袋などの適切なPPE(個人防護用具)キットを着用しているかどうかを検出できる物体検出/分類モデルを作成することでした。方法論と使用するモデルは任され、そのメリットとデメリットを挙げながら、最適と思われるソリューションを使用するよう求められました。私は当初、その人がヘルメット、ゴーグル、マニファ、手袋を着用しているかどうかを1つのCNN(Convolutional Neural Network)モデルを使って予測するマルチラベル分類器を使おうと考えていました。しかし、提供されたデータセットでは、データに偏りが多かったため、この方法はあまり役に立ちませんでした。AGCチームからアドバイスを受けて、CAM(クラス活性化マッピング)を使って、画像のどの部分が検出に使われているかをチェックしました。その結果、このモデルはあまり強固ではなく、不必要な画像部分を使って検出を行っていることが明らかになりました。合計で5つの異なるアプローチを試し、それぞれを分析した。

オブジェクト検出を使って画像の重要な部分を見つけ、マルチラベル分類器モデルを使いました。次に、別のアプローチとして、各PPE項目に対して二値分類を使用しようとしました。しかし、これらの解決策には、検出を行うために使用する画像の部分(頭、目、腕、手のひら)を特定できないという欠点がありました。

最後に、いくつかの研究の後、私はこの問題に対する2つの潜在的な解決策を見つけることができました。

ひとつは、ポーズ推定モデル(media pipe/Open pose)を使って、頭、目、腕、手のひらのパーツを抽出し、それぞれを2値分類モデル(ResNet 18)で別々に処理して、そのパーツがPPEを着用しているかどうかを検出する方法です。

もう一つの解決策は、背景除去モデル(Rembg)を使ってすべての画像から背景を除去し、4つのResNet 18モデルを訓練して、それぞれのPPEを検出することでした。

 

――AGCのインターンシップを振り返っていかがでしたか?

 

インターンシップでは、メンターがとても親切でご支援やフィードバックを頂き、多くのことを学びました。そのうちの1つがクラスアクティベーションマップです。疑問にも回答してもらえ、新しいことを多く学ぶことができました。
このインターンシップで一番良かったのは、期間中の仕事の概要をまとめたレポートを毎週、または隔週で提出することでした。レポート内容に関して、上司の北山さんやメンターが的確なアドバイスとフィードバックをくださった。私たちインターン生のリサーチ結果を褒めてくださり、不明点や行き詰まった箇所に対して解決策をアドバイスをいただきなら、見出すことができ、とても嬉しかったです。全体として、AGCのインターンを通じて、技術的スキルも向上でき、とても思い出に残る経験となりました。

 

――日本企業で働いてみての感想はいかがでしたか?

 

Pranay:全体的に包摂的な文化で、コミュニケーションや文化にギャップを感じたことはありませんでした。社員はお互いを気にかけていて、プレゼンや新しい会議を始めるたびに、1週間を通して自分にとって良かったことをいくつか共有すると教わりました。チームは家族のようなもので、欠点が何であれ教えてもらうことができます。これがAGCで働くことの最大のプラスポイントだと思います。

日本文化はいつもとても勤勉ですね。忍耐は私が本当に尊敬するものであり、このインターンシップでも感じることができました。

 

――インターシップのために何を準備すべきか、後輩たちにアドバイスをお願いします。

 

Pranay:人の情熱と献身は知識よりも重要です。知識はあとからでも身に付けられるからです。メンターの提案を聞き入れ進むには、私たちに誠実さが必要だと思います。私にとっては素晴らしい経験だったとしか言いようがありませんし、とても感謝しています。今後もインターンシップの取り組みが続いてほしいです。

 

――学生が学んでおくべきことはありますか?

 

Pranay:Pythonの基礎知識は必要だと思います。あとはインターネットのドキュメントから読みとくスキルは必須です。


写真5:インターン期間中におけるSoniさん・Pranayさん交えたZOOM-MTG

【片岡先生】

インド人学生に伝えたい日本企業で働く魅力とは

 

――片岡先生から見たAGCの印象をお聞かせください。

 

片岡:AGCはハイテクな取り組みを行っている企業だと感じています。ただの素材メーカーではなく、環境問題にアプローチすべく、カーボンニュートラルなど社会問題に通ずる取り組みを行っている点も特徴です。「こういう会社」と一言では言い表せないほど、世界中の課題に向き合っている会社なので、その課題の広がりをぜひ知ってもらいたいですね。そもそも、素材は応用の可能性が幅広いものですから、扱う素材が世の中のどの課題解決に当てはめられるのかを探っていくことは、非常にやりがいや楽しさがあると思いますよ。

AGCはインドの大学と密に連携をしている企業の1つで、大学や学生のことを知ろうとする意識が強い企業だとも感じています。着手から実行へのスピード感もありますね。世の中を良くする方向に向いている企業の姿勢が見て取れるため、学生にとって安心して誇りを持って働ける会社だと思います。

 

――データサイエンティストの学生にとって、IT企業ではなくメーカーに入る利点はどのようなところにあるでしょうか。

 

片岡:データサイエンティストのいいところは、データにニュートラルな姿勢を維持できることで、先入観なく客観的にデータを見られるところです。データサイエンティストの皆さんは、素材や物質に特化したマインドは持っていないでしょう。しかし、そうした立場だからこそ持ちうるニュートラルな目線があります。客観的にデータを見ることで、データが語る正しい方向性を指摘できるでしょう。

本物の素材を使って新たなアプローチを探すには、無駄を覚悟で何万通りもの試行錯誤を繰り返さなければなりません。しかし、それは金銭的、時間的、環境的なコストをはらんでいます。データサイエンティストであれば、データとAIを駆使して、コストを上げずに新しいアプローチ、革新的な素材を見出せるのではないでしょうか。ただデータをさばき、知見を生み出して終わるのではない仕事ができるのではないかと、これからのデータサイエンティストに期待しています。

 

――学生は、企業側にどのようなアピールをすれば良いのでしょうか。

 

片岡:経験の幅広さをアピールするのではなく、1番挑戦した事、PRしたいことに絞って具体的に書いてほしいですね。また、自分は将来どうなりたいのかについても書いてもらいたいです。日本企業は志望動機を重視する傾向があり、成長したい方向性が決まっている社員をサポートしたいという思いがあります。学生の「こうしたことをやってきて、今後どうなりたいのか」がわかると、企業側は、学生のキャリア志向と会社が目指している方向性とがマッチしているかどうか判断できます。同じスコアの人が並んだとき、会社がより求めているのは、目指す方向性が合う学生です。そのほうが採用後のミスマッチを防げるためです。

 

――日本企業で働くことについて、インド人学生に伝えたいことは何ですか?

 

片岡:インド人学生の皆さんのなかには、そもそも日本がどういうところなのかわからないという方もいるでしょう。日本企業は、ジョブディスクリプションを見るだけでは企業価値がわかりづらいところがあります。ここは日本企業側にももっとPRをがんばってほしいと思うところなのですが、学生の皆さんには「書いていない良さがたくさんある」ことをまず知っていただきたいです。

例えば、欧米企業と比較すると、日本企業はウェットなところがあり、社員を大切にする文化があります。福利厚生や、社員の家族へのサポートなどはジョブディスクリプションには書けないため、なかなか知られることのない日本企業の魅力です。もちろん、お金は大事です。でも、お金は数字でしかありません。そんな数字と同じくらい大切なことが他にもあると実感するためにも、まずはぜひインターンに積極的に応募してもらいたいですね。

就職活動は、企業が学生を見るだけではなく、学生も企業を見る機会です。インターンは、その企業が働きたいと思える企業かどうかを見極めるいい機会になるでしょう。「日本企業ならどこでもいい」よりも、「この会社が好きだから働きたい」という意識で就職活動をしてもらいたいと思っています。

あと、皆さんにお伝えしたいのは、日本企業の仕事をイージーだと思うなということです。日本企業の多くは、特に難しい課題に当たっているため、教科書から逸脱した研究をし、実現方法を模索しています。たくさん勉強し、問題解決の引き出しを増やし、難しい問題を解決可能なものにどう分けて取り組んでいけばいいのかを考える。ぜひそんな能力を発揮してもらいたいですね。

 


写真6:片岡先生のインタビュー風景

【AGC内定者 Rishitさん】

先輩が語るAGCの魅力

 

――AGCに応募した理由を教えてください。

 

Rishit:今年は全体的に雇用市場がダウンしていました。そのため、大学の就職イベント(Placement)に参加する企業はそれほど多くはなかったです。私はデータサイエンティスト、またはデータアナリストとして働きたかったのですが、そのポジションを募集している企業はほとんどおらず、その中でAGCが同ポジションで募集をされたため、応募しました。

 

――AGCについてはご存知だったのでしょうか。

 

Rishit:はい、日本の大企業だと知っていました。去年は別の日本企業でインターンシップをしていたので、日本の企業文化も経験していました。

 

――AGCの面接はいかがでしたか?

 

Rishit:書類選考で最終候補者に残り、テストを受けました。テストは機械学習に関するものでした。テスト合格後、面接に呼ばれました。内定の連絡を受け、内定書が少し遅れて届きました。オファーをいただいたときは安堵しました。父に電話で連絡しましたが、父もとても喜び、安心してくれました。

 

――入社後、どのようにキャリアアップしていきたいと思っていますか?

 

Rishit:データサイエンスや機械学習について、多く学んでいるため、AGCではより自分のスキルを向上させ、結果を残し、上のポジションに昇格できるよう努力したいと思っています。自分の専門分野も拡大させたいですね。AGCは複数の分野があるため、多くのことを学べると期待しています。

 

――現時点で感じているAGCの魅力はどこですか?

 

Rishit:まず、AGCは素材の会社ですが、化学や電子分野などいくつかの事業領域を持っていることです。データサイエンティストとして、それらの分野で仕事ができ、専門領域を広げられることが魅力です。また、インドのグルガオンオフィスを訪れたとき、職場文化の良さを感じました。人もとても親切で、素敵な環境だと思っています。

またもっと嬉しかったのは、AGCの方々が、自身の実家を訪れ、両親に直接会いに来てくださったことです。AGCの誠意あるご対応に、両親もとても感激していました。

 


写真7:インドグルガオンにてRishitさん交えて会食

写真8:Rishitさんご自宅訪問時にご家族のみなさんと

 

――後輩たちへメッセージをお願いします。

Rishit:AGCは長い歴史を持つ会社です。インターンシップに参加することで、多くの利を得られるでしょう。その1つがさまざまな分野での活躍です。また、日本文化に触れられることも魅力だと思っています。インターンを終え、PPOオファーをもらいフルタイムで入社した場合、多くの人と会うことができ、海外にも行くチャンスを得られるでしょう。